今日は少しばかり難しい話。
実はこういう話をするとよく『また始まった』と言われるのですがw
3年前に札幌から浦河に移住(といっても37年ぶりのUターン)してきたのですが、浦河にも立派なライブハウスがあって、地味にオリジナルで勝負しているバンドや、アマチュアとは思えないほどの演奏力のあるカバーバンドがいたりと、正直驚きました。
更に、プロミュージシャンも定期的にライブをしていることにも驚きました。そして、地方まで足をのばしてくれるプロミュージシャンのステージを何度か見て、改めて思ったことがありましたので、少しばかり書いてみます。
せっかくプロのステージを見られる、聴ける機会なんですが、残念ながら集客はままならず、正直、いつも似たような顔ぶれなのは寂しい限り。
そんななか、ふと思ったのです。何故、新しい顔が増えないのかと…。決して『音楽が好きじゃない』という理由ではないと思うんですね。もちろん、お金を払ってまで足を運ぶのは?と思ってる人はいるかもしれません(汗。
知り合いが出演するから見に行こう、というのもキッカケとしては嬉しいのですが、『どんな人が出演するのかわからないけど、どんな音楽が聴けるのか楽しみだから行こう』なんてオーディエンスが増えてくれると最高なわけです。
個人的には、夢野カブさん、そして先日の武内正陽さんのライブの時には思うところがあり、どちらもCDを購入したほどでした。
私は自分も表現する側、ステージに立つ側でもあるのですが、間違いなく聴く側でもあり、彼らの歌やステージにプレイヤーとしてではなく、単純にオーディエンスとして惹き込まれたのです。
こういう気持ちの動きが当たり前だと思ってましたが、どうも、音楽というのは『聴く準備』ができていないとならないものらしいと感じ始めました。新しいオーディエンスを増やすには、この『聴く準備』をいかにして浸透させるのかにかかっているような気がします。
店でのライブではオーディエンスのほとんどが、店での演奏経験のある私のような表現する側の顔が多いものの、なかにはそうではない純粋なオーディエンスも何人かいます。(表現する側が純粋ではないと言ってるわけではなく、どこかで少なからず自分と比べる意識があるという意味ですので誤解なく(汗。)
こういう純粋なオーディエンス、またはまだ表現するまでに至っていない卵たちをいかに増やしていくかが店の集客に直結しそうです。
『聴く準備』という言葉を痛感したのは、先日の武内正陽さんのライブに来ていたオーディエンス、しかも地元ではなく遠征組、追っかけと言っても過言ではない熱心な方々が何人もいらして、そのうちのひとりの女性が初めて武内さんの音楽と出会った時のエピソードを話してくれました。
小樽での話だったとか、街中を歩いている時に店内から武内さんの音楽がもれてきたそうです。それを聴いて、店に入ったのが最初だというのです。なんて素敵な話なんでしょう!音楽をやっている者にとっては最高の出会いですね。
勝手ながら、彼女は『聴く準備』ができていたんだと私は思いました。
そういうことがここ浦河でも起きるといいな…。
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